デキ12 電気機関車

製造年月 | 2004年1月 |
モデル | 草軽電気鉄道(長野県)デキ12 |
動力 | あり(架線集電36V 総出力232W) |
サイズ | L1200mm×W600mm×H1500mm |
定員 | 運転士1名 |
現状 | 活躍中 |
南山線電化後初の電気機関車
■草軽電気鉄道のデキ12型電気機関車をモチーフに貨車ホト71、客車ホハ150との草軽電鉄編成を再現しようと同時に製作が計画された。
■南山線の電化にあわせて誕生し、独特の分銅型パンタグラフとの相性もよく、架線やレールの集電不良が比較的少なかった。
■2軸駆動で前後に各1軸の先輪を備える
廃車目前に、復活プロジェクトが開始
■草軽フル編成(ホト71、ホハ150)を満員の乗客での登り勾配の運行には軽くて非力なため、ホハ150は10号電車専用に転用された。
■ホト71がSL8号機の客車として使われ始めると、活躍の機会が減り、次第に運行されないようになってきた。
運行頻度が低く、メンテナンスも不足していたことから次第に動かなり、廃車解体が検討された。
■そこで有志のスタッフが、「どうせ解体するなら教材として整備させてほしい」と故持元オーナーに相談。
2022年に再生プロジェクトを開始。修理費用がかかることから時間がかかっているものの、2025年6月には運用できる状態に復旧した。
現在は他の車両の負荷分散を目的として主に運転会終盤に運用している。(状況により運行しない場合があります)
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デキ12 再生プロジェクト
廃車寸前の状態のデキ12でしたが、運営スタッフ有志による技術継承を目的に、再整備を行うプロジェクトが発足しました。
遠くから参加するスタッフも多く、資金面の制約もあるため、再生完了までの道のりは長いですが、気長に見守っていただけると幸いです。
復活までの工程
Step1.現状調査と修理方針の決定:済
Step2.車両分解:済
Step3.修理:済
Step4.再組立と調整:済
Step5.再塗装:未
デキ12復活までのタイムライン
2022年9月:復活プロジェクト発足
2022年10月:現状調査を実施。全4基のモーターのうち、2基のモーターの歯車がズレており、2基のモーターが不動であることを確認。また、警笛故障、ハンドブレーキ故障を確認。
2022年12月:車両分解を実施。
2023年1月:試験的に別種のモーターを購入し、取り付け可能か検討。しかし、ギアボックスの製作が非常に困難であり、費用も高いためモーター交換は断念することに。
2023年2月:故障していたモーターの修復に成功。モーターの分解整備の手法を確立。
2023年4月:修理が概ね完了。
2023年8月:先輪と後輪、パンタグラフを再組立。ところが再生プロジェクト中にパンタグラフが元デキ3のものと入れ替わり、元のパンタグラフは16号台車の錆取り用パンタグラフに転用されたことが判明。パンタグラフの調整が難航し、完全組立には待ったがかかる。
2024年2月:パンタグラフを改造し、補助バッテリーを搭載。組立も完了。
2024年3月:改造したパンタグラフに合わせて建築限界を調整する作業を実施。南山線全線で走行可能な状態に。
2024年5月:試験的に運転会で運用。しかし、耐久性に問題があることが判明した。
2024年6月:モーター軸空転に対処しかし、今度は充電回路に問題が生じたため、補助バッテリーを回路から切り離し、暫定運用を開始。
2024年11月:再度走行不能に。パワーが大幅に低下して客車を牽引できない。原因調査を開始する。
2025年1月:車輪研磨及びパンタグラフ交換。通電性能の向上を図り、元々デキ12に装備されていたものに戻った。また、脱着可能な構造とし、保管場所を風通しの良い桜谷駅に変更した。
2025年3月:モーター再分解整備。構造上完全分解ができないものだったが、特殊工具を用いて解体に成功。
2025年4月:モーター再組立。モーターの完全分解整備により性能が飛躍的に向上。しかし、後進時にヒューズが飛ぶ不具合が発生。
2025年5月:後進時の不具合を解消。一部のスイッチが故障していたことが原因だったが、幸運なことに在庫があり、交換して解消。しかし、パンタグラフを上げると架線電源が落ちる不具合が発生。
2025年6月:パンタグラフの絶縁不良を解消し、機能上完全復活。構造を再確認すると、パンタグラフの絶縁不良が発覚。オンライン会議で対策を検討する中、過去資料よりパンタグラフが一部木製であったことが判明した。同様の構造を採用することで絶縁不良を解決し、塗装を残して完全復活した。