デハ6 電車

デハ6電車 全景
製造年月 1999年10月
モデル 花巻電鉄(岩手県)
動力 あり(直流30V 総出力116W)
サイズ L1840mm×W510mm×H1480mm
定員 乗客2名+運転士1名
現状 譲渡済(2011年)

軌道線を走り抜けるための「馬面」

花巻電気鉄道の通称「馬面電車」をモチーフにした「デハ6号電車」は、
車輪径125mmの2軸ボギー台車を履いた桜谷軽便鉄道初のボギー車である。
車内は定員3名のロングシートで、モーターは1台車=1モーターで、ポールによりDC30Vを集電して走る。
ボギー車両ならではのゴトンゴトンという軌条音、ガガーッ、キーンというきしみ音も本格的であった。
コントローラは多段ノッチ式制御を採用している。ブレーキは、明治頃の電車に特徴的な「手巻き式」である。
真鍮製のハンドルをぐるぐる回してその回転力を床下に伝え、鎖で制動靴を引っ張るという制動方式となっている。
制動靴はスプリングにより通常「緩め」状態になっているため、ハンドルを手からはなすと勢いよく回転して元に戻ってしまう。
そのため、足下に「ラッチ」機構が付いている。
このようなブレーキ装置は、現在では動態保存されている「京都N電」などに見ることができるのみ。

軌道線の最期を見届けた車両

デハ6号電車は架線集電方式であるため開通当初の非電化の南山線には入線できず、軌道線に残された。
動く機会が少なくなってはいたが、それでも時折"吊り掛け風"モーター音を響かせて狭い庭を走っていた。

ついに南山線に移籍。しかし…

廃線直前まで軌道線に配置され、電化されてかなりたってから南山線に移籍。
平地仕様の為、勾配のきつい南山線では活躍機会も少なくわずかに「桜谷まつり」で展示・試運転されるだけで、
「桜谷駅」の留置線に留まっていたが、2011年5月の「桜谷まつり」の後にマスコン1基を残して譲渡された。

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